1月11日、警察庁から平成23年の自殺者数(速報値)が発表され、30,513人と14年連続で3万人を超える結果となった。なぜか「自殺者を3万人以下に抑制する」ことが一つの政策のようにも聞こえるが、すでに昨年1年で約20万人減と、過去最大の人口減社会に入っている日本では、近い将来、自然に自殺者も3万人以下になるはずだ。自殺に関する現状把握は、いずれの機関においても自殺率(人口10万人あたりの自殺者数)で把握されるべきであり、手元の計算によれば、2011年の自殺率は23.8と、相変わらずの高水準だ。また、警察の実務では、自殺と明らかに特定されたものだけをカウントしているので、そのような暗数を含めると、年間の自殺者は4万人とも5万人とも言う専門家も存在する。
日本人は平成23年の1年間で1,261,000人死亡しており、このうち2.4%の原因が自殺ということになる。ただし、繰り返し述べているとおり、20代と30代の死因は、過去10年以上にわたり、それぞれの世代で約25%を占める自殺がトップだ。では、40代以降は自殺が減少するのかと言うと、ガンや心疾患などの死因が増加することにより相対的な自殺の割合が下がるだけで、数じたいはむしろ増加する傾向にあることには注意が必要だ。そして、依然として50代の自殺者数が最も多く、遺書により警察庁が自殺原因が特定できるケースのうち、約30%が経済的な問題が要因であるという。また、自殺率が最も高い年齢層は、英国を除くOECD諸国においては75歳以上が圧倒的多数であるのに対し、日本においては55歳〜64歳であり、これらの特徴は、旧ソヴィエト連邦のリトアニア、ベラルーシ、ラトビア等の体制移行国に近い特徴的なものであることは、単純な現在そこにある経済苦だけではない、漠然とした将来不安が現役世代を支配していると読むことができる。
冒頭の記述にしたがい自殺者数ではなく自殺率で日本の長期推移を見ると、実はバブル崩壊後ではなく、1958年の25.7が最高数値だ。1955年〜1958年の間、日本の自殺率は世界一だった。しかし、ピークからわずか7年後の1965年には14.7に、1967年には14.2と戦後最低数値まで下がっている。この間、国民健康保険法施行(いわゆる国民皆保険)や国民皆年金制度の発足など、やはり将来に向けた不安が取り除かれたことが自殺率を低減させることに大きく貢献したと考えられる。ただし、14.2という自殺率は、現在の人口で割り返せば約17,000人前後、かりに現在の自殺率国際比較に当てはめてみると、25位前後と決して低くない点、やはり日本の文化がそもそも持っている高自殺率傾向というのは、多くの論者が指摘するところでもある。
現在の日本は、事実上破綻した年金制度やGDP比で200%を超えた国債の問題、また、流動化しない労働市場ゆえに不本意な雇用にロックオンされる従業員、その従業員にすらなれない失業者など、将来不安の解消どころか、将来不安しか存在しない。日本が抱えるこういった問題は、要素が複雑であるがゆえに、いかに優秀な指導者が現れたとしても一朝一夕に解決される問題ではない。そのような中、一つだけ明確なことは、政府による自殺対策は無意味に等しいという事実ではないだろうか。2010年2月に設置された自殺対策タスクフォースも最近は何をやっているのか全く情報がないし(平成23年7月4日の自殺対策タスクフォースに「NEW」がつけられているのは噴飯物である)、水際作戦に終始する不毛な自殺政策に134億円もの予算を使うのなら、いっそのこと自殺志願者先着3万人に、自殺を思いとどまれば45万円ずつ配ると宣言するほうがまだマシだ。いずれにしても、日本の社会構造すべてが高い自殺率の原因となっていることは、再度確認の必要があろう。ユッケやこんにゃくゼリーを規制すれば国民の食の安全が守れると思っているようなレベルの政府には、まったく理解できないだろうが。
冒頭の記述にしたがい自殺者数ではなく自殺率で日本の長期推移を見ると、実はバブル崩壊後ではなく、1958年の25.7が最高数値だ。1955年〜1958年の間、日本の自殺率は世界一だった。しかし、ピークからわずか7年後の1965年には14.7に、1967年には14.2と戦後最低数値まで下がっている。この間、国民健康保険法施行(いわゆる国民皆保険)や国民皆年金制度の発足など、やはり将来に向けた不安が取り除かれたことが自殺率を低減させることに大きく貢献したと考えられる。ただし、14.2という自殺率は、現在の人口で割り返せば約17,000人前後、かりに現在の自殺率国際比較に当てはめてみると、25位前後と決して低くない点、やはり日本の文化がそもそも持っている高自殺率傾向というのは、多くの論者が指摘するところでもある。
現在の日本は、事実上破綻した年金制度やGDP比で200%を超えた国債の問題、また、流動化しない労働市場ゆえに不本意な雇用にロックオンされる従業員、その従業員にすらなれない失業者など、将来不安の解消どころか、将来不安しか存在しない。日本が抱えるこういった問題は、要素が複雑であるがゆえに、いかに優秀な指導者が現れたとしても一朝一夕に解決される問題ではない。そのような中、一つだけ明確なことは、政府による自殺対策は無意味に等しいという事実ではないだろうか。2010年2月に設置された自殺対策タスクフォースも最近は何をやっているのか全く情報がないし(平成23年7月4日の自殺対策タスクフォースに「NEW」がつけられているのは噴飯物である)、水際作戦に終始する不毛な自殺政策に134億円もの予算を使うのなら、いっそのこと自殺志願者先着3万人に、自殺を思いとどまれば45万円ずつ配ると宣言するほうがまだマシだ。いずれにしても、日本の社会構造すべてが高い自殺率の原因となっていることは、再度確認の必要があろう。ユッケやこんにゃくゼリーを規制すれば国民の食の安全が守れると思っているようなレベルの政府には、まったく理解できないだろうが。



